──朝活がくれた心の整いと新しい働き方
夜、子どもを寝かしつけたあと、静まり返ったリビングでひとりため息をついた。
「このままでいいのかな…」
心の奥から湧き上がる問いを、もう無視できなかった。
その夜が、私のキャリアチェンジの始まりだった。
- 仕事と家庭の両立にモヤモヤしている方
- 自分の時間がなく、心に余裕を失っている方
- 「このままでいいの?」と感じている方
17年間続けた「安定の働き方」
勤めていたのは、安定した大企業。
福利厚生も手厚く、人間関係にも恵まれていた。
大きな不満はなかった。
けれど、往復3時間半の通勤とフルタイム勤務に加え、家事と育児をこなす毎日。
どんなに効率化しても、自分の時間はどこにもなかった。
一人時間も、趣味も、暮らしを整えることも全部が後回し。
お金は入ってくるのに、心は満たされない。
「もっと丁寧に暮らしたい」「休みの日にお菓子を焼きたい」
そんな小さな願いさえ、何年も叶えられなかった。
朝活との出会いが、暮らしを変えた
転機は、オンラインコミュニティの仲間と始めた朝活でした。
「早起きして自分の時間を持つ」──たったそれだけのことなのに、
誰かと一緒に取り組むことで、続ける力と安心感をもらえたのです。
試しに30分早く起きてみた朝。
白湯を飲み、窓を開けて深呼吸する。
凛とした空気と鳥の声が、疲れた心にすっと沁みた。
その静けさの中で、「今日をどう過ごしたいか」を考える時間が生まれた。
それからというもの、出勤前の朝活時間が楽しみになった。
手帳を開いて予定を整えたり、本を読んだり。
静かな朝のひとときが、私にとって“自分の心とつながる時間”になっていった。
安定を手放せなくて続けていた仕事
朝活を続けるうちに、心の奥にあった違和感がはっきりしてきた。
「安定しているから」「定年まで勤めた方がいいから」──
そんな理由で続けていた仕事。
第一志望で入社した会社に誇りを持っていた。
結婚・出産・子育てと、ライフステージが変わるなかで制度にも助けられてきた。
それでも、制度という“枠”に自分を合わせることに限界を感じていた。
時間も体力もギリギリの綱渡りのような毎日。
先輩に相談すると、みんなが口をそろえて言った。
「子育てが落ち着いたら、楽になるよ!」
でも、それは10年以上も先の話。
その頃には、親の介護や体力の衰えが始まっているかもしれない。
このままでは、心が壊れてしまう──。
そう感じたとき、ようやく「私らしく働く」ことを真剣に考えはじめた。
「辞められない」と思っていた自分に気づいた
次第に、「仕事が好き」よりも「辞められない」が勝っていた。
会社員として“続けること”が正解だと思い込んでいたのだ。
子どもの寝顔にキスをして出勤し、
帰宅後は疲れ果てて、ゆっくり話を聞く余裕もなかった。
家族の時間を削ってまで頑張っても、満たされなかった。
そしてある日、過労で倒れた。
めまいで天井がぐるぐるして、耳鳴りが止まない中、
「私にはやるべきことがいっぱいある。倒れてなんかいられない。」
そう思って歯を食いしばって苦痛な時間が収まるまで耐えていた。
そのとき気づいた。
一番大切にしたかった家族の時間と、自分の健康。
そのどちらも、何年も後回しにしていたということに。
家族と向き合って決めたこと
退職を決意した夜、夫に打ち明けた。
「本当に辞めるの? もったいなくない?」と驚かれたけれど、
話していくうちに、私がどれほど無理をしていたかを理解してくれ
「最近、機嫌がいいね」
──その一言にハッとした。
朝活を始めてから、私自身が穏やかになっていたのだ。
退職届を出した日は、緊張で手が震えた。
でも同時に、胸の奥からすっと力が抜けていくような、不思議な解放感があった。
新しい働き方に感じた不安と希望
会社を辞めてすぐ、在宅でできる仕事を始めた。
好きな場所で働ける自由はあったけれど、最初の数ヶ月は正直、不安だらけだった。
- 頼れる相手がいない孤独感
- 収入は会社員時代より減少
- 「本当にこの選択で良かったのかな」と不安で眠れない夜もあった
それでも、朝の静けさの中で一日の計画を立て、
好きなペースで仕事と家事をこなすうちに、少しずつ心の整いを感じるようになった。
働く時間も、休む時間も、自分で選べる。
それが、何よりの自由であり、責任でもある。
手放して見えた、本当の“豊かさ”
朝活を始めた頃の私は、“頑張ること”が正義だと思っていました。
でも今は、頑張りすぎず、心を整えて働けることこそが豊かさだと感じている。
朝の静けさの中で心と向き合う時間を持つことで、
気持ちが落ち着き、一日のスタートを穏やかに切れるようになった。
一度きりの人生。
時間に余白ができた分、本当に大切なことを優先しながら、
これまで手をつけられなかった新しい挑戦を楽しんでいる。
完璧じゃなくていい。いまが、私にとってちょうどいい。
まとめ|焦らなくていい、心が整うと道が見えてくる
- 朝活は、時間のゆとり以上に“心の整い”をくれる
- 違和感を見逃さないことが、キャリアの転機になる
- 小さな一歩が、人生を大きく動かす
あの時、「このままでいいの?」という小さな違和感を見逃さなかったこと。
そして、一歩踏み出した自分を、今は誇りに思います。
心の声を丁寧に聴いていけば、ちゃんと自分の道にたどり着けます。
あの朝、静けさの中で感じた清々しい空気を、今も忘れません。
焦らなくていい。比べなくていい。
心が整うと、進む方向はいつもシンプルになります。
今日の一歩分だけ、まっすぐに。
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